2016.10.13

プロダクトの品質を高める『フィードバック』

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デザイン⇒フィードバック⇒変更・修正のデザインプロセスをまわして、デザインが良くなっている感じがしなかったり、このフィードバックは取り入れるべきなのかどうなのか判断がつかなかったりして、最近そのようなことに悩んでいました。

そこで、『みんなではじめるデザイン批評』という本と、『デザインの伝え方』という本を読んでみて、とても参考になりました。ぜひこれは『デザイナー』と名乗る人なら身につけておくべきだ、と思い今回ブログを書いてみました。

二つの本を読んで、特に重要だと思った点は以下です。

  1. フィードバックから真の問題を突き止める
  2. 取り入れるべきフィードバックを見極める
  3. 自分の意図を明確かつ有効に伝える能力を磨く

1. フィードバックから真の問題を突き止める

フィードバックあるあるで、「この要素を赤にしてほしい」というものがあります。

とはいえ赤という色が、ブランドカラーとはかけ離れた色であったり、サイト内で全く使われていない色だったりします。こんなときは、なぜ赤にしたいのか理由を聞くことが重要です。

例えば、その要素が一番伝えたいことなので目立たせたいとか、コンバージョンに結びつくのでパッと認識できるようにしたい、という意図が隠れていたりします。

そうすると、大事な要素が他の情報に埋もれてしまっている、という問題がわかります。

こういった意図を汲み取り、単にフィードバックを反映するのではなく、その目的に沿ったデザインをデザイナー側から提案できると良いと思います。

2. 取り入れるべきフィードバックを見極める

真の問題はわかったが、それを取り入れるべきかどうか判断に迷う、もしくはどのように判断してよいかわからない、という場合があります。

『デザインの伝え方』に良い判断基準がのっていましたので、ご紹介します。

  • ゴールの達成に役立つ
  • 主要なユースケースで使い勝手を改善する
  • ブランドイメージの確立に役立つ
  • 一般的なデザインパターンを使用している
  • ユーザーの注意を引く
  • ユーザーフローを考慮している

逆に、取り入れるべきではないフィードバックは、ユーザーのニーズや目標、文脈に沿っていないものです。たとえば…

  • 好みに基づいている
  • 自己中心的(自分の言うことを聞いてほしい、注目を集めたい)
  • 根拠のない称賛

こういった判断基準を明文化しておくと、不毛な議論が避けられ、デザインプロセスをスムーズに進めやすくなります。

3. デザインの意図を明確に伝える能力を磨く

なぜこのデザインにしたか、それが効果的だということが明確に伝わると、メンバーにも納得してもらえます。

しかしそれが最初からできるならば、フィードバックで悩んだりしないはずですね。

自分の意図を明確かつ有効に伝えるためには、以下の点を留意しておくことが必要です。

  • デザインの目的
  • 目的を達成するために効果的な解決方法や、他に検討した解決方法
  • なぜその解決方法が効果的なのか

たとえば、デザインの目的が会員登録のコンバージョンを上げることだとすると、解決方法は、

  • 入力項目を減らす
  • 自動入力できる部分は極力する
  • OAuthを用いる

などが考えられます。

解決方法が効果的な理由の例としては、

  • 他者サービスで、ユーザーの入力の負担を減らすことでコンバージョンをUPできたという事例がある
  • 入力項目の多さや煩わしさからユーザーが離脱するのを減らせる

というのが考えられます。

デザインする際は、なぜこのデザインにしたのか、なぜ効果的なのか常に念頭に置くことと、本当にこれで良いのか、他の解決方法はないのか、というセルフレビューの視点でデザインを俯瞰することが大切だと思います。

以上、プロダクトの質を高めるフィードバックについてでした。

上記の内容はフィードバックを受ける側が気を付けたいことですが、フィードバックを与える側としても気を付けたいことです。

両者がフィードバックについて理解することで、よりプロダクトの質を高めることができるのだと思います。

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