2013.10.22
私の地元の特産物 ハッカ油から考える商品の訴求点
先日、私の地元北見市に関するこんなニュースを見かけました。
記事はもう見れなくなっているのですが、抜粋が残っています。
【みんなの反応】北海道 ハッカ再興へ蒸留始まる NHKニュース – ねとなび
http://netnavi.appcard.jp/e/11vmw
ネットでたまにブームになったりネタになったりするハッカ(油)ですね。
けれど果たして再興できるのかしら…と疑問に思いました。そもそも北見産のハッカ油が衰退した理由は、安い外国産に押されてしまったからです。
なのでもしハッカブームが来たとしても、それに目をつけた輸入業者などによって安い外国産のものが入ってきて、北見産のハッカはまた衰退してしまうのではないかと思います。
ではお客さんに何を訴求して売れば良いのかを他県の事例を参考に考えてみました。
どんな体験を訴求する?
ハッカ製品の中で特に売れ筋という、ハッカ油を例に考えてみます。
北見産のハッカ油は、高品質のハッカを使用し、丁寧に蒸留されているとのことです。その為、香りが他社製品に比べて良いとか、香りの持続時間が長いといった利点があります。
しかし香りの良さや持続時間を訴求すれば商品は売れるのでしょうか。
関サバの例
関サバというブランド魚があります。これは、大分県漁業協同組合の佐賀関支店の組合員(漁師)が一本釣りしたサバのみを言うそうです。
良質な餌を食べて育ったサバが熟年の技によって丁寧に釣り上げられ、たくさんの手間暇をかけて鮮度を維持されて届けられるので、普通のサバに比べて数十倍の値段がつけられています。
この場合、お客さんは、多大な労力をかけられた新鮮で高品質、かつ貴重なものを食べるという『贅沢な体験』を買っているのですね。
『土佐一本釣り・藁焼きたたき』の例
地域特産物のデザインで、有名な方に梅原真さんという方がいます。梅原さんがデザインしたものの中に、『土佐一本釣り・藁焼きたたき』という高知の特産物があります。
梅原 真さん|高知県 香美市|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する
http://colocal.jp/topics/think-japan/innovators-intaview/20130225_15709.html
『土佐一本釣り・藁焼きたたき』からは、その地域に暮らす人々の伝統・文化・価値観などが垣間見えます。
丁寧に釣り上げた鰹を手間暇かけて更においしくするという『質』を重視する暮らし、藁を使っておいしさを引き出すなど、その土地の人々が受け継いできた知恵と伝統の活用、などを窺い知ることができます。
そしてお客さんは、丁寧に釣り上げられ、その地域で受け継がれた藁焼きによって更においしくなった鰹を食べるという『贅沢な体験』、『伝統の味の体験』を買うのだと思います。
『世界のKitchenから』の例
特産物ではないのですが『世界のKitchenから』というシリーズの飲料水があり、売上も好調だったようです。
果実飲料 売上ランキング/8月19日~25日、キリン「世界のキッチンからソルティライチ」の1位続く | メーカーニュース
http://makernews.biz/20130906975/
もしこの飲料水が、社内で様々な味の飲料水をつくって試してみた結果ソルティライチが一番おいしかった、というのでは売れなかったと思います。その地域の食べ物をおいしく利用するというお母さんの知恵と工夫、そして伝統的に受け継いできたという事実があったからこそ売れたのではないでしょうか。
北見のハッカ油は何を訴求したら良いのか
お客さんへの訴求点は、丁寧に蒸留された高品質のハッカ油を使うという『贅沢な体験』にプラスして、北見に住む人が長年ハッカを愛用し、虫よけやアロマに使ってきたという『暮らしの体験』では、と思います。
そしてこの長年使ってきた事実、というのが『良質なもの』『価値のあるもの』と見なされるのではないでしょうか。
※北見市は割と真面目にハッカソンの開催を考えてみては…。